2018年

2018年5月 第170回さわやかネット句会 作品 特選句短評  
2018年4月 第169回さわやかネット句会 作品 特選句短評  
2018年3月 第168回さわやかネット句会 作品 特選句短評  
2018年2月 第167回さわやかネット句会 作品 特選句短評  
2018年1月 第166回さわやかネット句会 作品 特選句短評  

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第170回さわやかネット句会  (2018年5月)                  参加者:13名

 
 

■ 作 品

水面に香り彩る花菖蒲          ただの凡庸  ←最高点句
戻ることなき断層や花の冷え      舞岡柏葉   ←最高点句

時止まる名曲喫茶春の宵        境木権太
亀鳴くや仏間に一人瞑目す       飯塚武岳
狭庭(さにわ)なれ百花繚乱花水木   翁山歩存
相生(あいおい)の福寿を祈り緑摘む  名瀬庵雲水
息をのむ旧家の庭の芝桜        小正日向
重い戸の立入禁止鳥曇          岡田克子
眼つむれば高み風行く森の春      真野愚雪
春光を包みてそよぐ浜の風        石  敬
巻雲の青空高しハナミズキ        遊戯好楽
傘二つ朽ちし曲輪に桃の花       志摩光月
藤棚や椅子は園児のお絵かき場    森かつら


第170回インターネット句会特選句短評  

時止まる名曲喫茶春の宵(境木権太)
(ただの凡庸)若いころ出かけた喫茶店を思い出しました。忙しい今の時代には猛このような
喫茶店は少なくなってしまい、寂しい気がしています。
(森かつら)時止まる名曲、その時を思う気持ちが伝わりました。 
 
亀鳴くや仏間に一人瞑目す(飯塚武岳)
(舞岡柏葉)なかなか使えない難しい季語を「仏間、瞑目」という場所や行動の言葉を使って
うまく雰囲気を伝えていると思います。

水面に香り彩る花菖蒲(ただの凡庸)
(境木権太)花菖蒲のあでやかな花が水面を彩ろところを菖蒲の香りが漂ってくるような詠んだ
ところに感心しました。
    
 断食終へ啜る重湯や春あした(舞岡柏葉)
(名瀬庵雲水)ご自身が体験されたことなのか ? ダイエットが目的で週末断食をされる方もいる 
とか。程ほどにどうぞ!“断食”を行う人は、日本ではごく少数派であり、其処に焦点を当てた点
がよかったと思います。

 若竹や空に突き刺す雨上がり(境木権太)
(遊戯好楽) 雨上がりに竹の子が勢いよく伸びているのを発見した様子がよく出ている。
(志摩光月)根元に筍の皮が残る若竹でしょうか。若竹の緑が目に浮かびます。

逃げ水の嘲笑うごと距離遠く (飯塚武岳)
(小正日向)見通しの良い道を歩いている時によく逃げ水を見ます。追いかけるのですが
追いつきません。逃げ水の様子がよく出ている句だと思います。

手を広げ日輪仰ぐ鉄線花 (境木権太)
(翁山歩存)夏に咲くテッセンの雰囲気がよく描かれている。

目つむれば高み風ゆく森の春(真野愚雪)
(石  敬)17文字の中に、すがすがしい新緑の光景をたっぷりとつめこんでくれた巧い句ですね。

戻ることなき断層や花の冷え(舞岡柏葉)
(真野愚雪)一つにつながっていたものが、いつの間にかずれて離れて行ってしまった。
どうして? 底冷えのする春の午後、想いはさまよい続ける
・・・そのような心象風景が描かれました。
(飯塚武岳)太古の昔から今日までの永い歴史がもの言わぬ断層に刻まれている
世の無常が花冷えの中に感じられる。
(岡田克子)地震とは言ってませんが、わかります。覆水盆に返らずですね。季語がきいてます。

   

第169回さわやかネット句会  (2018年4月)                  参加者:17名

 
 

■ 作 品

風の声乗せて静かに花筏             ただの凡庸  ←最高点句   

岩肌を清める如く磯菜摘む            舞岡柏葉
陽春や仕上げのやすり家具職人         岡田克子
大道芸桜吹雪と歓声と               千草雨音
言の葉を紡ぎし歩むさくら坂            石  敬
ジェラートや花の季節の25度C            遊戯好楽
夜桜の白く浮かびて坂の道            川瀬峙埜
玉響(たまゆら)のたおやかなるは花明かり   たま四不像
東風かろき磯に試食のひものかな        名瀬庵雲水
生き死にの流れ渡すや花筏            真野愚雪
串さしの馬鹿貝干しの女房かな          森かつら
新しいテキスト届く春休み             飯塚武岳
風変わり鶯慌ててケキョと鳴く           小正日向
病癒え今年の花に酔うており           境木権太
老いらくのダンスを習いて猫の恋         志摩光月
しっとりと大地に温き穀雨かな           翁山歩存
坂道の花に招かれ一万歩             野路風露


第169回インターネット句会特選句短評  

玉響(たまゆら)のたおやかなるは花明かり(たま四不像)
(ただの凡庸)春の宵,花明かりに浮かぶ景色、きれいな句だと思います。

ジェラートや花の季節の25度C(遊戯好楽)
(千草雨音)今年の花の満開の日を見事に切り取って詠まれており、新鮮な俳句で、字面もリズムも素晴らしいと思いました。
(飯塚武岳)春とはいえ初夏のような陽気の中でうきうきとした気分とおしゃれな雰囲気が感じられる句です。

陽春や仕上げのやすり家具職人(岡田克子)
(森かつら)職人のやすりに焦点を当てた句。やすりが光を浴びて輝いている様子が感じられる。

朝ざくら用足すだけの犬連れて(川瀬峙埜)
(たま四不像)人間は桜、犬は用足す「だけの」ため、そうそうと共感をよびワハハ面白いなと思い選句しました。

日差し浴ぶ白さ際立つ春障子(前岡柏葉)
(翁山歩存)春になった雰囲気がよくつかみ取られている。

花びらも客に招きて花筵(はなむしろ)(舞岡柏葉)
(川瀬峙埜)一気に咲いた今年の桜。どこもかしこも桜で満ち溢れ心がオープンになりどんな人でも、どんなものでも受け上機嫌で居られるまさに「華やぎ」の季節ですね。
(石  敬)花見の席に舞い落ちる花びらを客に見立てたところは、なかなか巧みですね。

風変わりうぐいす慌てケキョと鳴く(小正日向)
(遊戯好楽)春が来たことを感じる句。鶯もまだ上手に鳴けてないのも早春の雰囲気が伝わる。

子も犬も駆け抜け浴びる花吹雪(ただの凡庸)
(小正日向)子供の喜ぶ声も一緒に聞こえてくるな情景が浮かんできて、その場に居合わせたような気分になりました。

青い月背中丸め花吹雪(遊戯好楽)
(境木権太)澄みきった空に浮かぶ青い月を眺めながら、花吹雪が舞う中を背中を丸めて そぞろ歩く。やや肌寒い春の夜の情景を絵を見るように表現している。
(志摩光月) 寒暖の差が大きく不順な春の訪れを良く表現していると思います。

岩肌を清める如く磯菜摘む(舞岡柏葉) 
(岡田克子)中七に作者の発見が出ていました。

風の声乗せて静かに花筏(ただの凡庸)
(名瀬庵雲水)川面に浮かぶ花弁の集まりが筏となる。散り際の風景か?やや強き風の音を、花筏に乗せると言う表現が素敵ですね。

言の葉を紡ぎて歩くさくら坂(石 敬) 
(野路風露)俳句を作っておられたのでしょうか素敵な言葉に惹かれました。

東風かろき磯に試食のひものかな(名瀬庵雲水)
(真野愚雪)「試食のひものかな」の実生活感が、「東風かろき」の詩情で彩色されて、一枚のさわやかな春の絵があらわれます

 

   

第168回さわやかネット句会  (2018年3月)                  参加者:15名

 
 

■ 作 品

新聞の誤植見つけし春炬燵           飯塚武岳    ←最高点句

空に浮き宙に板舞う冬五輪            ただの凡庸
沈丁花恋は短く世は長く              真野愚雪
パリ不破と仏蘭西麺麭(フランスパン)春兆す  たま四不像
娘(こ)の嫁して飾ることなき雛まつり       舞岡柏葉
お太鼓の浅葱の帯や立子の忌          名瀬庵雲水
床の間にふっくら顔の古りし雛          千草雨音
春立ちて駅のポスター貼り替わる        川瀬峙埜
オルガンのしらべに祈り春の風         翁山歩存
梅の香よ誘い出すかな宮参り          石  敬
菜の花や水平線のきらっきら          志摩光月
蕗の薹味噌が引き出すうまみかな        小正日向
おくれ毛のおさげ髪かな梅日和         森かつら

   
第168回インターネット句会特選句短評  

新聞の誤植見付し春炬燵(飯塚武岳)
(ただの凡庸)日が長くなり春が近づいてきた。春らしいのんびりした雰囲気がよく出ている。
(たま四不像)まずは自分好みの句です。作者の様子が見えてきて、借り物でない臨場感と軽快
なリズムがあります。まったりした時間のなかで、のんびりと春炬燵にあたりながらすみずみ
まで新聞を読んでいたとき「あっ誤植見つけた!」という思いがけずの驚き、そしてなんだか
楽しくなるような気持ち、「よし、一句!」と句にした妙、いいですねえ。春炬燵という季語
がこの句にぴったりだと思いました。
(千草雨音)春とはいえ、まだ寒い日に炬燵に入り新聞を読んでいるゆったりとした流れの中で、
鋭く新聞の誤植を見つけたという対比が生きている。
(名瀬庵雲水)めったにない事と思いますが、風景が見えてきました。その後、新聞 社に
連絡したのでしょうか ? そちらの方が気になります。
(石 敬)ほんのり暖かくなってきた春先の居間で、そろそろ用無しの炬燵に陣取ってじっくり
と新聞を読んでいたら、思いがけず誤植を発見したのですね。ゆったりとした時間の流れも感じ
られるいい句ですね。
(川瀬峙埜)誤植を見つけ出す注意深さと春炬燵のアンニュイな気分のなんともアンバランスな
感覚がユーモアに繋がっていますね

二、三輪枝の先から春の音(ただの凡庸)
(境木権太)枝先が膨らみ春が近づいているのを感じた気持ちを、「春の音」と詠んだところが
新鮮です。
 沈丁花恋は短く世は長く(真野愚雪)
(翁山歩存)長寿社会で人生が長くなっているが、若い時代は短いことを良く表していると思う。

病室に差し込む光春動く(境木権太)
(志摩光月)病みの苦悩、不安と明るい春が印象的に表現されていると感じました。
(飯塚武岳)一人で病室にいると暗い気持ちになりがちだが、明るい春の日差しが希望の光と
なり勇気付けられ生きる力が湧いてきたそんな光景が上手に表てる。

空に浮き宙に板舞う冬五輪)ただの凡庸)
(森かつら)躍動感ある協議をうまく表現しているよい句です。

春立ちて駅のポスター貼り替わる(川瀬峙埜)
(小正日向)どんなポスターになったのでしょうか。想像が膨らみます。

 

   

第167回さわやかネット句会  (2018年2月)                  参加者:16名

 
 

■ 作 品

凍豆腐(しみどうふ)吊られからころ奈良井宿  たま四不像 ← 最高得点
黄水仙庭に色あり命あり        翁山歩存
湖(うみ)渡る風は近江の網代守   舞岡柏葉
折り込みのちらしに聴こゆ春の声   志摩光月
鬼の豆食べて恐ろし豆の数      遊戯好楽
正座して木箱から出す雑煮椀     小正日向
莫山の筆跡習ふ初硯          千草雨音
弾く音火の粉飛びかうドンド焼き    菊地 智
受験生純白マスクの眼輝く(ひかる) ただの凡庸
雪の音か障子の向こうに耳澄ます  石  敬
雪しまき点滅を操る信号機      名瀬庵雲水
成人式背筋伸ばして君のある     飯塚武岳
雪降ると伝えるニュース大騒ぎ    川瀬峙埜
無き父の剣静まりて寒昴        境木権太
巷でも右往左往のちゃんこ鍋     森かつら
寒月や悔いあり凍てし白き路     真野愚雪

   
第167回インターネット句会特選句短評  
 

黄水仙庭に色あり命あり(翁山歩存)
(境木権太)冬枯れの庭に咲いた黄水仙)に目が留まり、「色あり命あり」と詠んだ巧みな表現に感心しました。
(遊戯行楽)寒さ厳しいこの時期に 春の訪れ感じる情景が思い浮かびまた、寒い冬を乗り越えた草花の強さを感じました

外は雪シューベルト聴くティータイム(千草雨音)
(石 敬)たいへんお洒落な句ですね。静かな雪の昼下がり、作者はきっとソファーで「冬の旅」を聴きながら、紅茶を片手に白いシホンケーキを頂いているのでしょう。

凍豆腐(しみどうふ)吊られからころ奈良井宿(たま四不像)
(ただの凡庸)「からころ」という言葉に奈良井宿の寒さがよく表現されていると思う。
(翁山歩存)凍豆腐の様子と奈良井宿の雰囲気がよく出ている。
(名瀬庵雲水)背負子の行商人を詠んだ句なのでしょうか?  なんと風情があり ( 特に奈良井宿がよい ),リズム ( " からころ " ) の良い句なのでしょうか。

湖渡る風は近江の網代守(舞岡柏葉)
(飯塚武岳)篝火を焚き網代をじっと見守る人に琵琶湖を渡る厳冬の風が吹きつける。素朴な美しい景が浮かんできます。
(真野愚雪)文字の並びは姿良く、詠えばリズムは清々しく、目の前に古典的な風雅の世界が広がります。

鬼の豆 食べて恐ろし 豆の数 (遊戯行楽)
(川瀬峙埜)恐ろしいのは気付かないうちに年齢を重ねてしまった事の驚きか?食べきれない位の豆の数が有ることは幸せなか? 悲しむ事か?身につまされます。
(森かつら)豆の使い方も言い、情景が伝わるよい句です。

弾く音火の粉飛びかうドンド焼き(菊地 智))
(小正日向) 炎を上げて燃えている様子が伝わり勢いのある句だと思いました。

受験生純白マスクのマスクの眼輝(ひか)る(ただの凡庸)
(志摩光月)真剣なまなざしが夢を語っている様に見えます。

正座して木箱から出す雑煮椀(小正日向)
(千草雨音)年に一度使われる雑煮椀なのでしょうか?由緒ある蒔絵のお椀を想像して豊かな気持ちのなりました。    

   

第166回さわやかネット句会  (2018年1月)                  参加者:11名

 
 

■ 作 品

しぐるるや猫背連なる停留所       舞岡柏葉      最高得点
真新し足袋三代のお練りかな       名瀬庵雲水
ゆく年や友の残せし句が一つ       飯塚武岳
初春や子供の頬の柔らかさ        浅木純生
新海苔や老舗問屋の老夫婦        千草雨音
お焚上げ幣の煙や常に無き        ただの凡庸
長き柄の鋭く伸びて冬北斗         境木権太
山積みの洗濯横に日なたぼこ       小正日向
友訃報また一人へる賀状書き       翁山歩存
山神(さんじん)や雲海溶かす初日の出  志摩光月
初雪や指を温めし手酌酒          石  敬

   

第166回インターネット句会特選句短評  
 

行く年や友の残せし句が一つ(飯塚武岳)
(ただの凡庸)友とは梵天さんのことでしょうか。ご冥福を祈ります。

真新らし足袋三代のお練りかな(名瀬庵雲水)
(千草雨音)1981年に続き親子3代同時襲名は歌舞伎界でもまれな慶事とか。

饒舌な医師打つワクチン寒の入り (舞岡柏葉)
(小正日向) 診察室での医師とのやりとりが聞こえてくるようで、楽しい句だと思いました。
(浅木純生)おしゃべり好きのお医者さん、威張っている医者よりはいいかな。  冬の日の光景が見えます。

しぐるるや猫背連なる停留所  ( 舞岡柏葉)
(名瀬庵雲水)冬の通り雨。バスを待つ停留所には長い列。高齢者が多いことと、寒さで皆を丸めている状況。自分でも猫背気味であり を「 はっ 」 とさせられました。
(境木権太)過疎のバスの停留所でしょうか。時雨降る寒さの中で、おばあさん達が猫背になってなかなか来ないバスを待っている。 「猫背連なる」が効いています。
(飯塚武岳)寒いしぐれの中でバスを待つ長い列。皆、無言で背を丸めてじっと耐えている様子がうまく表現されている。
(志摩光月)「客観描写」を感じました。

新海苔や老舗問屋の老夫婦 (千草雨音)
(翁山歩存)“新”と“老”の組み合わせがいいと思いました。

白き肌引き立て香る柚子湯かな(千草雨音)
(石 敬)コメント:五感を刺激し色香を感じさせる艶のある句ですね。